逃げる魚、追う釣り人

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「あの、さ。豊田さん」 「はい?」 週末の為か人通りはまだ賑やかだった。 明日休みなのか、飲んだ帰りだろう集団が何かを言いかけた店長と私の間を通り抜けて、会話が一時中断する。 それがすっかり通り過ぎるのを同じように見送って、もう一度店長の方を向くと距離が近くなっていた。 「良かったら」 「はい?」 「……なんか食べに行かない?」 「あ、私さっきカツサンドいただきましたから」 ボリュームありすぎてまだお腹にしっかり入ってる。 店長は、しまった、とか、そうか、とか呟きながら挙動不審だった。
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