目覚め

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この時期の土日は然程客も多くない。 シフトは平日よりも一人増やして組んであるが、念のため、という程度だ。 特に昼間は暇で、早番中番遅番の全員が重なる3時頃、いつもは一人ずつしか行かない休憩に私と杉浦さんと二人で入った。 店は店長とバイトの子の二人になるが、充分だろう。 「ねえねえ。昨日、店長となんかありました?」 事務室でインスタントコーヒーを二人分カップにいれてお湯を注いでいるときだった。 昨日の、あまりにもどんくさいお誘いを思い出して、ふ、と笑ってしまった。 「なんかって?」 「例えば……食事に誘われたりとか飲みに、とか」 「あ、そうそう。店長が一度みんなで飲みに行こうって。空いてる日、カレンダーに書きだしておいてくれる?」
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