目覚め

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くるくるとスプーンでかき混ぜて、カップを二つ手に取ると振り返る。 部屋の中央にある長机の上には、杉浦さんがお菓子を広げてくれていた。 「みんなで、ですか。えー……進展なしかぁ」 「何が?」 カップを置いて、杉浦さんの向かいの位置にあるパイプ椅子に座る。 お菓子はうちの店でB品になり店長が買い取ったものを、みんなの休憩用に置いてくれている。 箱潰れや中のラスクが割れているなどがB品の理由だから、味は問題ない。 「何がって……豊田さん気付いてないんですか」 「だから、何がよ」 「いえ、別に」 すっとぼけながらラスクを一つ摘まんだ。 っていうか、私は昨日気付いたけれど杉浦さんにも気付かれてるってどういうことだ。
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