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指を絡めて
肌を摺り寄せて
唇を合わせ
身体を重ねた
混じり合う吐息の熱が
彼も私を欲しがってくれているのを伝えてくれる
この人と、まさかこんな風になるなんて
この日の朝には、まるで考えてもいなくて
なのに今はこんなにも
この人が欲しくて
こんな気持ちは今日だけで忘れなくちゃ
そうでなくちゃ
私はまた深手を負うことになる
「もう、泣くな」
そう彼が言ったのに
私は逆に気が緩んでしまって余計に止まらなかった
だって流れる涙は
全部彼が拭ってくれる
こんな夜は
一度だけ
今夜、ひとときだけ
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