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「恵美、顔真っ赤」
ソッポを向いていたはずの美里が、いつのまにかテーブルに頭を預けたままこちらを向いていて、口元がにやりと歪んでいた。
「だ、だって」
あんなこと、藤井さんが言うとは思わなかったのだ。
「藤井さん、なんって?」
「……心配するから、ちゃんと起こせって」
「え」
美里が驚いたような顔をする。
言いたいことはわかる、でもそう言った。
「送るから、これからは、ちゃんと起こせって言われた……」
つまりそれって、『これから』がちゃんとある、そう思っていいんだろうか。
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