818人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
クローゼットには
以前来ていたふわふわした女らしい服もちゃんとある。
けれどこの髪型では似合わないし何より。
「急にお洒落するのもなんか恥ずかしい」
「なんですかその無駄なプライド」
「何よそれ」
「だって、ようは必死になって彼の為にお洒落してるって思われたくないってことでしょ? いいじゃないですか、恋する乙女ならそれで普通ですよ」
「お、乙女って」
今の自分はまさしくそうなのだろう。
恋愛感情に思考回路の殆どを占拠されてしまって
そんな自分が情けない。
反論できずにしょ気ていると
杉浦さんが慰めるみたいにぽんと私の背中を叩いた。
「まー……無理しなくても、普段の格好にちょっとだけアクセサリープラスするとかそれだけでも大分違いますよ」
最初のコメントを投稿しよう!