男は豹変し、女は混乱する

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藤井さんはそれからも完全に受け身の私に飽きることなく何度でも食事に誘い、会ってる間中とにかく私を甘やかした。 何が食べたいか 好きなもの、嫌いなもの 行きたい場所 行きたい店 通りすがりの店でうっかり何かに見とれたりしたら 「欲しいのか」 などと言われて慌てて首を振った。 欲しいと言ったら買ってくれるつもりだったんだろうか。 相変わらず、言葉はない。 確信はくれない。 だから、私達の関係は一体何なのか益々わからなくなる。 一緒に夜を過ごす時も、最初の夜のようにまるで労わるように優しく触れる。 涙を拭ってくれた、あの夜みたいに。
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