誰も知らない貴方が知りたい

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「じゃあな」 「うん、それじゃあ」 シートベルトを外して、ドアを開けようと片手を伸ばしたがふっと自分に影が落ちたことに気付いて顔を上げた。 その瞬間、唇が重なる。 完全なる不意打ちで、驚いて目も閉じられなかった。 別れ際のキスはいつものことだけど、それは夜の車内だからで、まさか朝の出勤途中の人達が通るこの道でされるとは思っていなかったのだ。 唇が離れた途端、彼の目は開いて苦笑いをする。 「なんつー顔」 「な……っ、こ……」 「飯美味かった。ありがとう」 なんでこんな場所で、という文句は彼の言葉で封じられた。

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