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タイミングよく本社の営業の白井さんが店舗巡回に訪れたのは、月曜日のことだった。
つるりとした肌色の頭皮が、この先の季節は寒そうだ。
お客さまがいない場所だと、わざとその頭皮をぺちぺちと叩いて強調したりする、とても親しみやすい人だ。
ちょうど店長が在庫整理に出ていたところで、これもタイミングが良かった。
「実は、少しご相談したいことがあって……店長には、内密で」
そう声をかけたときに、いつもは柔和な白井さんの笑顔がほんの一瞬だけひきつったような、気がした。
「何何、豊田さん結婚とかか？ やめてくれよ店も軌道に乗ったとこなんだから！」
「そんな話なら先に店長に話しますよ」
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