第11話

似た者同士

わざとおちゃらけた雰囲気で返してくれたのは、多分他の販売員の子達の手前があるからだろう。

こんな風に気遣える人が営業で助かっている。

私の意図を汲み取ってくれて、昼休憩の時間に外でランチがてらということになり、倉庫から帰ってきた店長と何食わぬ顔で話をしてさらりと店から出ていった。

とにかく色々と機転の利く人だし、良く人のことを見ているな、と思うことが度々ある。

そんな人が、私の一言で僅かに表情を変えたのが気にかかる。

何か、あるのだろうか。

気になったのは、ここに来るまでの店長の経歴だった。

おそらくこの店の前にも店長か副店長を経験しているはずだが、その時の人間関係はどうだったのだろう。