似た者同士-2

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「ねぇ」 言って。 そう願いを込めて、彼のシャツの布地を引っ張る。 だけど、きっと彼は言わない。 「……うるさい」 「ぷっ……」 ほらね。 予想通りで思わず吹き出した。 けれど、言葉にはならなくても、酔った彼は十分すぎるくらい素直で饒舌だ。 やっとわかった。 私と彼は、とてもよく似ている。 私もそうなのだ、と彼を見ていて自分の至らなさに同時に気付く。 好きと言ってほしい。 言葉にしてほしい。 そればかり願って、自分のことはいつだって棚上げして。 瑛人くんの時も、結局私は過去形でしか口に出来なかった。 自分への、けじめとして。
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