似た者同士-2

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「ほんとに、お酒くさい。んっ……」 彼が首筋に顔を埋めて、またいつもの場所に痕を残す。 そんな痕など残さなくても お酒の匂いも煙草の匂いも 貴方の匂いも あの夜から、いつだって私にまとわりついて離れないのに。 執拗に、私に自分の痕跡を残そうとする、この人が。 「藤井さん」 愛しくて、愛しくて。 いつもなら ただ私を高めるだけのように感じていた触れ合う肌が 私にだけ甘えられる 彼の弱さのように感じられて 「恵美」 私を呼ぶ声に、胸が締め付けられていつまでも涙の気配が消えない。 首筋から胸元に降りる彼の頭を抱きしめて、苦しい程の愛しさを吐息で逃がして。 初めて、心から 抱き合えた気がした。
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