似た者同士-2

3/23
662人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
そこは試飲会会場の扉のすぐそばで、今フロアに残っている人だかりは恐らく関係者だろう。 藤井さんの足下にしゃがみこんで顔を覗き混む。 腕と足の隙間から僅かに見えた横顔は、確かに藤井さんだった。 「……おせえ」 「ごめん、これでも終わってすぐに来たのよ」 気分が悪いか頭が痛いか、すこぶる不機嫌な声だった。 しかしなんとか意識は保っているらしい。 「ああ、やっぱり! 随分前、うちで酔い潰れた藤井さんを送っていった子だ」 その声に顔を上げると、見覚えがあると気になっていた男性が私を見ていて、私も漸く思い出した。 「あ、あのカフェの、マスター?」 いつもと違うスーツ姿だったからすぐにわからなかったが、よくよく見れば間違いない。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!