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「えっ……ううん、大丈夫。謝るのは私の方だし……」
『今どこだ?』
「藤井さんとこの近くの駅……藤井さんこそどこにいるの?」
藤井さんの声に重なって、いろんな人の話し声が聞こえてくる。
とても賑やかで、家にいるわけではなさそうだった。
『会社。事情説明と、説教されに』
「あっ! 大丈夫だった?!」
『お前のおかげでな。助かった、ありがとう』
お礼まで、先に言われてしまった。
「ごめん、そんなことしかできなくて……」
あの翌日、朝の開店準備を終えた私はワインの試飲会場でも会ったオーガニックカフェのマスターに連絡を取っていた。
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