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また、いつもの場所で彼の唇が止まる。
楽しそうに笑う彼の肩が揺れている。
耳朶に唇が触れ、耳の奥に彼の声が低く響いた。
「その高いプライドも案外泣き虫なとこも
まるごと全部もらってやるよ」
こんな風に、時折泣きたくなるくらい嬉しい言葉をくれるから。
私はまた、泣き顔を浮かべ彼を喜ばせてしまう。
彼が涙を拭ってくれることを期待して
私はいつまでも消えない微熱に身体を火照らせた。
「白雪姫の微熱」
End
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