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あんなに聞きたかった彼の気持を、まさかこんな状況で警察官を通して聞くことになるとは思わなかった。
嬉しかったけど、彼の顔を見ることもできないままでは、ただやるせなくて、申し訳なくて。
全く眠れずに起きていたためか、どこかふわふわとした夜が明けた。
一睡もしていなくても、店は開けなければならない。
店長も当然、事情聴取の為まだ警察にいるし、恐らくその後は会社側の処分が決まるまで自宅待機になるだろうと夕べ駆けつけてくれた白井さんが言っていた。
と、いうことは当分私は休み無しで出勤だ。
人手も足りないし、店長不在の今私が代わりを務めなければならない。
「……杉浦さん?」
開店準備の為早番の時間に店に来ると、杉浦さんが目を真っ赤にして入口で待っていた。
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