俺の名前を呼んでくれ。

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意地悪そうな顔で悪態をついたって、きっと彼はあの二人の為にお祝いを用意するだろうと確信している。 なんだかんだ、律儀な人だ。 そして薄情そうに見えて、情に厚くすぐ世話を焼きたがる。 「笑ってないで、とっとと行くぞ」 「あ、喋っててごめん。遅くなった?」 二人少し早足で玄関に向かい、藤井さんが下駄箱の上にある車のキーを取った。 「いや、まだ十分時間はあるけどな」 狭い玄関で二人でスニーカーを履く。 今日は久々に二人揃ってお休みで、藤井さんの実家に食事に誘われていた。 藤井さんはそのせいか、若干不機嫌だ。 多分、実家に行くと私とのことでお母さんにからかわれるから、それが面倒なんだろう。
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