俺の名前を呼んでくれ。

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こんな風にずるずると泊まらせてもらってていいのだろうかなんて、その時には考える頭も彼の考えを聞く余裕もなくて、ただ毎晩腕の中で泥のように眠った。 頭を抱えられて時々彼の指が私の短い髪を鋤き、全身を彼の匂いと体温に包まれる。 それだけで身体の力も抜けて、一日中忙しなく働き続けた頭もゆるゆると蕩けて。 ものの数秒で熟睡。 そんな甘やかされた環境にすっかり慣れてしまった頃に、お年始のセールも過ぎて仕事も落ち着いた。 「今日は何時上がり?」 「えっと……今日は……」 朝。 彼もその日から仕事初めで、二人とも出勤の日だった。 「今日は、六時上がり」 そう答えながら、気付いた。 今の同棲のような生活は、年末私の仕事があまりに遅いという理由から、始まったことに。
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