俺の名前を呼んでくれ。-2

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じりじりと火種が移るのを見守る。 ほんの数秒のことだけど、恥ずかしいような居た堪れない時間というのは長く感じるものだ。 ふと、視線を感じて目線を上げれば、ばちんと彼と目が合った。 「……っ、けほっ」 つい、いつもより重く感じる煙を深く吸い込んでしまい、喉に堪えて咳き込んだ。 距離を取ろうと彼の腕を軽く押すと、すんなりと離れていく。 「もう、こんなことなら自分の煙草持って来れば良かった」 言いながら、少し痛む喉を抑える。 隣を見たら、藤井さんは煙草を咥えながら片手の指で目頭を抑えていた。 「どうしたの?」 「目に入った」 「馬鹿じゃないの」 面白がって人をからかうからだ。 思わず吹き出すと、藤井さんも可笑しそうに肩を揺らす。
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