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この後の流れは、わかる。
言うことを聞かない私に彼は少なくとも腹立ちと同時に欲情もしていて、さっきのエントランスでの言葉は決して脅しでもなく。
彼は自分のコートを脱ぎ捨てると、先ほどよりずっと強引に私のコートを剥ぎ取った。
「実家で預かってた迷い猫の飼い主があいつだっただけだ。他には?」
『あいつ』という呼び方に、私の知らない親密さが確かに表れていて私はまた、顔を歪めた。
私に触れようとする手から逃れて一歩さがると、足がベッドの淵でつっかえてそれ以上は下がれない。
腰から両手がニットの中に滑り込んで、一息に真上に向かって裾が引き上げられて脱がされた。
「それだけじゃないんでしょ? 世話焼くのが貴方の性分だからって要さんが言ってた!」
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