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恵美と要に挟まれて、エレベーターまで歩かされながら不満を口にする。
さっきの話が、納得いかない。
「恵美」
「何!」
「送るってなんだ、お前も泊まるって」
「わかったからっ、もう黙ってお願い」
まるで煩い子供を宥めるような、言い方に腹が立った。
なんだよ。
俺が話すのはそんなに迷惑か。
腕を強く引っ張られエレベーターまで歩く間、口を閉ざす。
その横で、要が笑いを堪えていた。
「すみません。兄貴、酔うとほんとにたちが悪いから」
語尾は堪えきれずに声が震えていた。
何言ってる。
酔ってない。
ちゃんと意識ははっきりしてるし、視界揺れたりしていない。
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