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部屋に入った途端、廊下よりも少し下がった気温が肌に当たってふと意識が鮮明になる。
先ほどまでの自分の所業が頭に浮かんで僅かに後悔したが、そんなのは一瞬だった。
「大丈夫? お水飲む?」
顔色を覗うように正面から見上げると、反応の無い俺に不思議そうに小首をかしげる。
「藤井さん?」
返事の代わりに、その唇にキスを落とした。今度は逃げずに受け止められたことに気を良くして、すぐに舌を絡めて深く味わう。
「んっ、ふ……」
何か言おうとしているのか、合間に小さな声が漏れるがそんなのは無視をしてキスを続けながら上着を脱ぎ捨てた。
余裕なんかいつだってない。
恵美が気づいてないだけで、気持ちが知れれば無様なことばかりだ。
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