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どういうわけか、意識が途切れがちで時々ふっと我に返る。
目を開ければ、白い肌が顕わになって目の前にある。そこに貪るように唇を這わせていた。
あの夜から、欲しくて欲しくて仕方ない。
あの目の先にいるのは、俺でなければいけない。
その唇から、俺が好きだと言わせたい。
ふと首筋の肌を味わう舌先に、しょっぱいような水滴が触れた。
ゆっくり身体を起こして見下ろすと、恵美は泣き顔を見られまいと恥ずかしそうに視線を逸らす。
「恵美」
「や……ちょっと、待って」
せっかくの泣き顔を隠そうとするから、その手首を掴まえておさえつける。
うれしくなって頬が緩むのがわかった。
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