見えない鎖 【藤井side】

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またしても逃げられた、二度目の夜。 二度目の情事はくそ生意気な挑発に乗せられて、此方も征服欲に火が付いた。 この高飛車な女を、組伏せたい、黙らせたい、鳴かせたい。 目を閉じて、好きな男と重ねられるのなんか、真っ平ごめんで、それくらいなら。 嫌いな男に抱かれる現実を見せつけて、嫌悪感に苛まれて泣かれる方がいい。 ……って。 変態か、俺は。 少々、自分の性癖が心配になるくらいに。 豊田恵美を見ると、最初の夜の泣き顔ばかりが脳裏を過った。 下手な挑発よりも、自分の弱味をさらけ出したあの泣き顔の方が、ずっとそそられる。
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