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日曜日、俺はいつも通り休みだが、恵美は恐らく一睡もせずに仕事に向かっただろうと思う。
俺に背中を向けて寝たフリをしていたが、微かな息遣いでも伝わる。
携帯のアラームが鳴るまで、泣いていた。
原因は俺で、当然俺が悪い。
今度ばかりは。
心配になって出かける前に声をかけたが。
「恵美?」
「ん……さすがに眠い。仕事ミスしないようにしなきゃ。暁さんは休みでしょ、ゆっくり寝てて」
いつもの口調で、何事もなかったように話していたが、ちらりとも此方を見なかった。
俺が悪い、せめて何か答えてやるべきだった。
気まずい空気を思い出して、ベッドの上で天井を仰ぎ溜息をつく。
俺は「好きだ」とか「愛してる」だとか
その類の言葉が好きじゃない。
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