Only you are seen.

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不機嫌ではあるものの、私が散々泣いた後だからかまだ熱があるからか。 「行ってくる。ちゃんと寝てろ」 そう言って、屈みこんで触れてくれたキスはとても優しかった。 「いってらっしゃい」 そう言いながらもつい離れていく彼の指を掴んでしまい、苦笑いでもう一度キスを交わす。 寝室を出てすぐに玄関の閉まる音が聞こえて、私もちゃんと休もうとベッドの中で目を閉じた。 だけど、すぐに込み上げるくすぐったい感情に、つい頬が緩んでしまい俯せになって枕に顔を埋める。
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