672人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
不機嫌ではあるものの、私が散々泣いた後だからかまだ熱があるからか。
「行ってくる。ちゃんと寝てろ」
そう言って、屈みこんで触れてくれたキスはとても優しかった。
「いってらっしゃい」
そう言いながらもつい離れていく彼の指を掴んでしまい、苦笑いでもう一度キスを交わす。
寝室を出てすぐに玄関の閉まる音が聞こえて、私もちゃんと休もうとベッドの中で目を閉じた。
だけど、すぐに込み上げるくすぐったい感情に、つい頬が緩んでしまい俯せになって枕に顔を埋める。
最初のコメントを投稿しよう!