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途端、強く抱きしめられて呼吸が一瞬止まった。
痛いくらいに強い腕の中でゆるゆると力が抜けると、暁さんが私を抱きしめたままその場に座り込む。
シャツに縋り付いたまま、私はすっぽり彼の腕の中に収まっている。
実は、よくわからない。
頭が上手く働かないの。
だけど、ここにいていいんだと許されたことだけはわかって、深く息を吸い込んだ。
暁さんの匂い。
もうずっと、まとわりついて離れない
この匂いの中でしか生きていけそうにない。
くらくらする頭に、暁さんの声が響いた。
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