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「……そんなこと言うな」
「え……」
「聞きたい」
聞きたい……聞きたい?
昨日の『すき』は、迷惑なんじゃなかったの?
少し緩んだ腕の中から、彼を見上げる。
苦しそうに細められた目と、唇が長い吐息をもらしてずっと何かを堪えているように見えた。
「恵美」
近づいた唇の、柔かい肌が触れあう。
まるで吐息を共有するためだけに近づいたようなキスとも言えない距離で、それなのに恍惚としてしまう。
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