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私の熱は39度を越えていたらしかった。
彼が慌てて休日夜間診療を受け付けてくれる病院を探して、連れていってくれた。
私の記憶は途切れ途切れで、抱き抱えて車に乗せてくれたことや、着いた先でクッションの効いた長椅子に暫く寝転がっていたのを覚えてる。
目の前の受付の窓口が彼には低すぎて、かなり腰を屈めて向こう側にいる看護師さんと話をしている背中を見てた。
家でも、目が覚めれば必ず目の前に彼がいて、甲斐甲斐しく看病してくれて。
私は熱にうかされていたこともあり……かなり甘えていた気がする。
暁さんがベッドを離れなかったのは、多分私が手を握って離さなかったからだ。
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