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情けない。
恋に溺れて仕事も手につかず、挙げ句顔色が悪いとみんなに心配をかけて早退させられるなんて。
ますます、自己嫌悪に陥りそうだった。
あんなことで泣くなんて、どうかしてた。
彼が素直な言葉などくれる筈もなく、期待どおりの返事はないことくらい、予測は出来る。
だからって、彼の気持ちを疑うことはない。
大丈夫。
ちゃんとわかってる。
言葉なんか、なくたって……。
そう、自分に言い聞かせながらも、店を出て歩いているうち、どうしてもやるせなくて吐き出したくて。
携帯越しに美里の声が聞こえた途端に、私は堪えきれずに泣き声を上げてしまった。
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