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「ダメ。まだ子供小さいし妊娠中なんだから……言わないでよ、言ったらあの子来そうだから」
そう言ったけど、暁さんはまだ何か考え込んでいるようで、これ以上心配をかけさせたくなかったから私は敢えて話を逸らした。
「暁さんこそ、大丈夫? 殆ど寝てないでしょ」
「俺は心配ない」
本当に、大丈夫かな。
昨日も、一昨日も寝てないはずなんだけど。
見上げる私の視線に気づいて、彼が手を伸ばして髪を梳く。
「ちゃんと寝てろよ」
「……大丈夫。萌々香ちゃんとの約束までに直さないといけないし」
私がそう言うと、ぴくりと暁さんの眉毛が跳ねた。
こんな時に白状する私はずるいかもしれないが……今なら、大丈夫かな、なんて。
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