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半ば熱にうかされ、くらくら揺れる世界で聞いた、あの言葉は夢じゃないと何度も頭の中で再生しては噛み締める。
多分また、滅多には聞かせてもらえないだろうから大事に大事に思い出して、薄れないように。
大事なのは彼の気持を感じることだ。
言葉なんてなくてもいいって思ってた。
だけど
言葉にしてもらえることで、こんなにも幸せになれる。
”あいしてる”
その言葉を、声を、思い出しただけでじわりと涙が滲んだ。
吐息の熱さえ、肌が思い出せるくらいに
あの瞬間私の身体に浸透したあの言葉は、私の意識を変えた。
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