epilogue

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「子供小さいのに、働くの大変じゃない?」 「まあね。でも仕事好きだし。ってか恵美の方が大変じゃない。まさか酒屋に嫁入りすることになるなんて」 「あはは……まあ、なんとかなるかな?」 そう。 実は、後継者(と勝手に暁さんが決めてた)である要さんが……逃げた。 逃げたというと語弊があるけど、画廊の仕事をしている年上の女性を好きになって、彼女の仕事について海外国内問わず飛び回っているらしい。 「兄貴、ごめん。俺、後継げなくなった。彼女の仕事手伝うことにしたから」 「は……お前、なに言って」 「夏希さんっていうの、すっげー綺麗で可愛いんだよ」 「知るか! 勝手にしろ!」 苦虫を噛み潰す暁さんを尻目に、キャリーバッグをころころ転がしにこやかに去って行った要さんの後姿が目に浮かぶ。
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