epilogue

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私はなんとなく……要さんはわざとあんなやり方でいなくなったんじゃないかなと思うのだけど。 それが正しいなら暁さんも気付いているはずだから、敢えて何も言わなかった。 今、彼の仕事が忙しいのは、今の仕事の引継ぎと実家の酒屋の仕事と両方を兼ねているからだ。 私も結婚と同時に販売の仕事は辞めることになったから、同じように引継ぎに追われている。 「ってか、さ。藤井さん、あの仏頂面で店に立てんの」 「あのね。仮にも営業やってたんだから……それに経営側だから店頭に立つことは余りないわよ」 「ふうん……同居?」 「ううん。今のマンションにそのまま」 最初は同居の話も出たけれど、それは暁さんが拒否をした。 ただ、私も一緒に出勤してお母さんがしている仕事を覚えることになりそうだ。
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