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「うん」
生理が遅れ始めた時に、いつもはそれほど気にしないのに、なんとなく気になって止めた。
それから1週間、私の勘は正しかったみたいで。
「おなかに悪いからやめたの。副流煙も良くないみたいよ?」
そう言ってじっと見上げていると、ぽかんと口を開けて呆けた暁さんの口から、火の着いた煙草が滑り落ちた。
「あちっ!」
「ちょっ、大丈夫?」
慌ててキャッチしようとして何度かのお手玉ののち、彼が漸くフィルターを掴んだ。
灰皿でもみ消しながら
「早く言えよ!」
と、怒った顔でそう言って。
私の身体を抱き締めて、深く息を吐き出すと耳元に唇を寄せた。
じわりと、身体に熱が生まれ、幸せな温もりに閉じた瞼に涙が滲む。
"あいしてる"
……わたしも
互いの耳元で囁きあって頬をたどり、唇を重ねた。
「白雪姫の微熱」
END
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