第1章

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「ーであるからして、このエックスに入る値を…おい!坂田!寝るんじゃない!!」 俺は中学の数学教師。教えはじめてまだ一年もたっていない新米だからなのか、春だからなのか。皆居眠りがひどい。 ふと、視界にしかめ面をした生徒が入る。田崎か。田崎は、決して居眠りはしないが、つねにしかめ面で無口。と言うか喋らない。………うーむ。 「順番だと…田崎か。田崎!ここの答は?」 田崎は突然、顔を緩ませると……「あと5分。」 と呟いた。 ………あと5分?もしやと思い、田崎の顔をよく見る。 なんてこったい。こいつ、いつも寝てやがった。
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