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紺色のブレザーに緑紺を基調とした
タータンチェックのプリーツスカート。
エンジ色のリボンの結び方に至るまで
規定の制服と寸分違いない。
別に変な格好はしていないんだけど……
「何が『なるほど』なんですか?」
疑問を口にしてみるが、
亮は意味深に口の端を上げて首を振る。
「イヤ別に」
……余計に気になるんですが?
かえではじっとりとした眼差しを亮に向けた。
同時に視界の端にスクーターから離れていく姿が映る。
「あっ……あの人たち行っちゃいますよ?」
例の2人組が時おり視線をこちらへ向けつつも、
駅とは逆の方向へ歩いていく。
「良かった……」
「良いんですか?」
「ああ。ウザかったし。むしろホッとしてますが?」
「知り合いじゃなかったんですか?」
「ん? 知ンね。
……何かビーエンのファンだとか言ってたけど?」
首の後ろを揉みながら、
亮は全く興味なさそうに肩を竦める。
「つうか腹減んね?」
「はい?」
話しの展開に
かえではまつ毛を瞬かせて首を傾げた。
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