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と、
かえでは二人の容貌のせいにしているけれど、
世間知らずそうな少女と、
有り体に言えば不良に分類される少年2人の関係は……。
一見真面目そうな少女がその実……。
など自身も十分話題提供者なのだという事に
気付いていないだけなのである(笑)
ともあれ
良くも悪くも注目を浴びる事に免疫のある2人と違い、
そういった事に全く慣れていないかえでが、
胸中で『消えたい』と願っていたとしても
無理はないのだけれども。
「まったく、
かえでの学校に押しかけるとか
信じらんねえ」
本気で不機嫌らしい一朗は、
水とおしぼりを持ってきた店員に
照り焼きハンバーグセットとコーラを注文すると、
再びぐちぐちと文句を言い始めた。
「CDなんか俺に預けりゃ済む問題じゃん。
隣に住んでんだからさ。
つうか、かえでもかえでだぞ?
わざわざバグズになんか行かなくても、
俺に言えば良いだろ?」
お説教の矛先が自分に向き、
ぴくりと背中を震わせたかえでは、
しかし続いた一朗の言葉に
「あ」と間の抜けた声を漏らした。
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