ムゴンデンワ

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「無言電話?」  定夫さんはそう聞き返すと、ビールが入ったグラスを傾けた。 「そうなの。昨日と今日、立て続けに来たの。何だか気味が悪くて」 「そんな電話無視だ無視。飯にしてくれ」  その期待外れの答えに、少し拍子抜けしておひつを開ける私。  そうは言っても取らなきゃいつまでも鳴ってうるさいし、知り合いから掛かってくるかもしれないから結局は取らなきゃいけないのよね……。  誰から掛かって来たのか知らせてくれるとか、特定の番号からは拒否できるような機能があればいいのに。電話って便利だけど案外不便よね。
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