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「そうですね。森川君私の事結構わかってくれてるというか、前も私すごく重い本3冊持ってて、それを後ろから来た森川君が無言で持ってくれて。しかも途中階段あって、明らかに森川君の方が大変な状況なのに、足元気をつけてねって言ってくれたりとかして。それでそのあ…」
「山下さん。」
「あ、すみません。私ばっかりすみません…」
ここでの問題点は、ただ一つ。
“嫉妬”である。
「いや、そうじゃなくて。それそのまま。宮下に言ったの?」
「え?あ、そうですね。最後まで言いました。」
「その時さ、宮下なんか態度悪くなかった?」
「あ…そうですね…用事が入ったとかですぐ帰ってしまって…」
「それは…帰っちゃうかな、俺でも。」
君はもっと、男の嫉妬について知るべきだ。
そういう助言もありなのだが、ここはやはり自分でわかってほしい。せっかく掴んだ恋を、自分の意志で、自分の決断で、その恋をきらりと光るものにしてほしいと僕は思っていた。
「私の話、面白いところないので…」
「いや、そうじゃないんだよな…」
「優…あ、宮下さんはご両親が関西の方だから、きっと笑いのハードルが高いのだと、日頃から考えています。」
「それは別に考えなくて大丈夫だと思う。」
「そう…なんですか?」
「考えるべきところはそこではないね。」
「それはその…勉強すればわかることなのでしょうか。それともインターネットで検索すれば出てくる事なのでしょうか?図書室にはそれに相当する書籍がないのです。困りました…」
「それは…まあ、そうだね。」
そんな本が発売されたら、僕も迷わず購入しに行くだろう。きっと保存用も買ってしまうのだろうか。
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