0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、もうすぐ優さん来る時間だ。先生、本当にありがとうございました。こんな面白くもない話を聞いていただきまして。」
「優さんによろしくね。」
「優さん、あ!…あの…その…」
もう気付いているかもしれないが、彼女は人に話す時は宮下さんと彼の事を呼ぶ傾向にある。
なんだ、可愛いじゃないか。素敵な彼女に出会ったものだ、羨ましいぞ、宮下。
「そういう表情をさ、もっと彼に見せるべきだと思うよ。もっと好きな気持ちを表情にね。そうしないと、男って傷ついちゃう生き物なんだよ、意外にもね。」
「先生も、そうなんですか?」
「僕はそうでもないかな。」
「先生って女性に言い寄られるタイプですよね、絶対に。」
「絶対にってすごい威圧感ある言葉だね。」
「恋愛の相談とか、本当にした事ないから、私上手く伝えられたかどうか…」
「とても伝わったよ、もう伝わりすぎて笑っちゃうくらいに。」
「おかしな部分なんてありませんでしたよ。」
「あ、そうだね。ごめんごめん。」
彼女の真面目な面はとても好感が持てる。そこに気付いた金髪の彼にも、また同じように好感を持てる。
何とも素敵なカップルなのである。
最初のコメントを投稿しよう!