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ゼロさんは、愛を囁いた犯人の事も、碧さんとその人の関係も、何もかもを知っていたのだろうか。
ヨウムの口を封じようとした理由が、主人の秘密を守るためだと仮定すれば、つじつまが合ってしまう。
気付いたが最後、背中の痛みが胸にまで波及してきた。
ズキズキ、ズキズキ、吐き気すら覚える。
「今日は温室にいたんだね、花純。
何をしてたの?」
暗く俯いていると、ふいに運転席から質問が転がってきた。
何か探りを入れようとしているのかと疑ったけれど、声音にも態度にも、怪しい所は見当たらない。
詮索ではなく、ただの雑談だろう。
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