383人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてあまりにも突然に、聞こえるはずのないさえずりが聞こえてきた。
「………ナニ?」
男性の声だ。
驚いて草の陰から飛び出した私に、鳥達の方が輪をかけて驚き、バサバサと大きな羽音と、埃っぽい風を撒き散らして、逃げてしまった。
島の真ん中にぽつんと残されたゼロさんが、目を丸くして、こちらを凝視している。
(何なの、その反応?)
てっきり、ゼロさんが私の存在に気付いたから、「何か用か?」と尋ねてきたとばかり思った。
けれど、その驚きぶりからして、どうも違うらしい。
最初のコメントを投稿しよう!