Gospel of beginning #2

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そしてあまりにも突然に、聞こえるはずのないさえずりが聞こえてきた。 「………ナニ?」 男性の声だ。 驚いて草の陰から飛び出した私に、鳥達の方が輪をかけて驚き、バサバサと大きな羽音と、埃っぽい風を撒き散らして、逃げてしまった。 島の真ん中にぽつんと残されたゼロさんが、目を丸くして、こちらを凝視している。 (何なの、その反応?) てっきり、ゼロさんが私の存在に気付いたから、「何か用か?」と尋ねてきたとばかり思った。 けれど、その驚きぶりからして、どうも違うらしい。
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