Gospel of beginning #2

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今のは明らかな殺意を持った一撃だった。 鳥の中では大型の部類に入るけれど、ヨウムが食らっていたら、ひとたまりもなかったはずだ。 身代わりになった私の額には、気持ちの悪い脂汗が滲み、目からポロポロと涙がこぼれた。 けれど今は自分自身よりも、怪我を負ったこの患畜が優先だ。 脱いだカーディガンで、暴れるヨウムを包んで抱き上げ、私は脱兎のごとくジャングルを飛び出した。
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