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ヨウムは翼の尺骨を骨折していたものの、幸い命に別状はなかった。
心底安心して息をつく私に、コーヒーの注がれたビーカーが差し出される。
「もう、びっくりしたわよ!
大学病院の方じゃなくて、研究室に直接飛び込んでくるなんて。
しかも学生結婚で退学した学生が」
私が獣医学部に在籍していた頃、勝手に師と仰いでいた、高田知佐子准教授だ。
彼女はイグアナやらモモンガやらといった、エキゾチックアニマルを好んで治療研究している女傑。
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