Gospel of beginning #2

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こういうセンスのいいジョークをさらりと言えてしまう所も、たまらない。 気持ちを抑えきれず、えいっと腕にまとわりつくと、碧さんはあやすようにくしゃくしゃと頭を撫でてくれる。 「僕の奥さんは甘えん坊だね。 今日はもう研究室でやる作業はないから、このまま一緒に帰ろう」 こんな所も優しい。 それなのに、私は贅沢なのだろうか。 (ついでだからデートして帰ろうとか、たまには外でディナーでもとか、ないのかな……) 碧さんは充分過ぎるほど、私を大切にしてくれている。 大抵の頼み事は聞いてくれるし、それなりに気遣ってもくれる。
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