382人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
けれど私を喜ばせるために、自主的に何かをしようとする姿勢が足りない。
誕生日プレゼントすら「何がいい?」と尋ねてくるほどだ。
必要最低限の愛だけを与えられ、飼い殺されているのでは、という気がしてならない。
たおやかな腕に、不満と一緒にぶら下がりながら辿り着いた、学生用の駐車場。
パールホワイト色のクラウンアスリートが、碧さんの愛車だ。助手席に乗り込もうとした拍子に、背中にズキンと痛みが走った。
ちょうどゼロさんの一撃を受けてしまった辺りだ。
肋骨は多分、何ともない。
もし折れていたら、呼吸すら辛いはずだから、ただの打撲だろう。
最初のコメントを投稿しよう!