Gospel of beginning #2

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鈍い痛みに引きずられるように、後回しになっていた記憶が、じわりと蘇ってくる。 『ミドリ……碧、愛シテル。 ミドリ……!』 ヨウムが発した言葉。 いくら人語を真似るのが得意なヨウムでも、一度や二度耳にした程度では、憶えられるはずがない。 誰かが温室で繰り返し囁いたのだろう。 『碧、愛してる。碧、愛してる……』と。 胸に秘めた想いを、鳥達にこぼしていたのかもしれない。 碧さん本人に直接伝えていた可能性だって、充分にあり得る。
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