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「あ、ちょっと……探し物してて……。
今ね、ぐるぐる捻れてる物がマイブームなんだ」
螺旋という単語を避けたのは、わざと。
碧さんに勘付かれて、たしなめられ、謎が謎のままになってしまうのだけは、避けたかった。
「可愛い探し物だね。
じゃあ僕も、ぐるぐる捻れてる物を見つけたら、花純にプレゼントしようかな」
軽くついた嘘に簡単に乗られてしまい、罪悪感がチクリと胸を刺した。
その傷口から漏れ出す不信感は、心に黒い染みをじわりと広げていく。
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