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一瞬眉をひそめた後、胸に右手を当ててペコリと頭を下げる。
立ち振る舞いの一つ一つが優美で、まるで物語の執事そのものだ。
言葉を失って見惚れていると、ウノさんはきびきびと歩き出してしまった。
「あっ、待って、ウノさん!」
とっさに呼び止めてしまってから、どうしたものかとたじろぐ。
氷室 花純として、このお屋敷で暮らし始めて1週間。
使用人さん達とは、ちょくちょく遭遇する。
それぞれ決まったお仕事があるらしく、食事はウノさん、洗濯はアンさん、庭の手入れはゼロさん。
広いお屋敷の掃除は、それぞれに担当の場所があるらしい。
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