Gospel of beginning #2

6/38
前へ
/38ページ
次へ
一瞬眉をひそめた後、胸に右手を当ててペコリと頭を下げる。 立ち振る舞いの一つ一つが優美で、まるで物語の執事そのものだ。 言葉を失って見惚れていると、ウノさんはきびきびと歩き出してしまった。 「あっ、待って、ウノさん!」 とっさに呼び止めてしまってから、どうしたものかとたじろぐ。 氷室 花純として、このお屋敷で暮らし始めて1週間。 使用人さん達とは、ちょくちょく遭遇する。 それぞれ決まったお仕事があるらしく、食事はウノさん、洗濯はアンさん、庭の手入れはゼロさん。 広いお屋敷の掃除は、それぞれに担当の場所があるらしい。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

383人が本棚に入れています
本棚に追加